※プロットとは初期設定のことである。
皇紀2663年。あの”warld war U”から60年あまりが過ぎようとしていた。この間世界は長い間資本主義と共産主義の二つのイデオロギ−が激しく対立していた。資本主義を率いていたのはメリケン帝国であった。一方、共産主義はソヴィエト・ユニオンが率いていた。しかし、長く続いたこの対立もソヴィエト・ユニオンの崩壊により、共産主義は衰退していった。
これにより、世界はメリケン帝国の庇護とユナイテッド・ネイションズの団結の下、平和な時代が続くと思われた。しかし、ネオ・コンサヴァティブによるメリケン帝国の台頭を快く思わないイスラム・ファンダメンタリズムは、皇紀2661年9月11日、のちに「メリケン同時多発テロ」と呼ばれる自爆テロを敢行した。これ以降世界は報復に報復を重ねる暗黒の時代に突入していった。
そんな折、この事態を冷静にみつめていた野心家たちがいた。極東にある小国ネオ・ジパングの巨大財閥ヒキ・コモリの三人の共同経営者である。彼らはマウント・フジの近くで育ち、”東海の暴れん坊”と呼ばれていた。その三人とはイシコ・エロウヨク、シャチク・パンク、ヤクブツ・イゾンであった。彼らは日夜話し合っていた。
イシコ：今こそ神代の時代より続く皇族の血筋を持つテンノウ・アキヒトの力を借りて、未来永劫続く平和な時代を築く時だ。
シャチク：しかしどうやって？アキヒトに何ができる？
イシコ：アキヒトは今までの皇族にはいなかったニュ−タイプと呼ばれる新しい皇族だ。わが社が開発した汎用人型決戦兵器「天皇ガンダム」を操縦できるのはニュ−タイプだけだ。
ヤクブツ：ニュ−タイプって何だ？
イシコ：これは非常に難しいことだが、いわば「人類の革新」ということだ。通常人類は脳の容量の３０％しか使っていない。つまり残りの７０％は使われていないということだ。この使われていない脳のことを”ナイトヘッド”という。ナイトヘッドを使うことができる人間をニュ−タイプと言うのだ。ニュ−タイプは一瞬にしてすべてのことが理解できるのだ。
ヤクブツ：なぜアキヒトがニュ−タイプだとわかった？
イシコ：彼は皇族で初めて民間の女性コウゴウ・ミチコを妻に迎えた。そんなことをできるのはニュ−タイプしかいない。
シャチク：なるほど。ところでほかにはニュ−タイプはいないのか？
イシコ：実は俺たちもニュ−タイプかもしれない。「天皇ガンダム」は操縦できないが、俺たち三人で巨大財閥をつくりあげた能力はニュ−タイプでなければできないはずだ。ニュ−タイプはお互いに直感で感じあうことができる。俺は君たち二人にも、そしてアキヒトにも感じあうことができるのだ。
はたして、ネオ・ジパングは世界の平和の潮流を築くことができるのか。われわれは生き延びることができるのか。
つづく・・・かもしれない