世界貿易センタ−ビルのテロについて

　昨日の夜NHKのニュ−スを見ていたら、生中継でものすごい衝撃映像を見てしまった。ア

メリカの世界貿易センタ−ビルに航空機が突っ込んで爆発していた。それだけでなく米国

防省の建物にも航空機が突っ込んだのだ。私はテレビに釘づけになって見ていた。そのせ

いで寝るのが午前２時になってしまった。

　今回のテロはイスラム原理主義の過激派によって起こされたと言われている。彼らのやり

方は実に卑怯で姑息であるが、では、アメリカが完全なる「善」で、イスラム世界が完全なる

「悪」であると言い切れるだろうか？考えてみればアメリカは日本に原爆を落とし、一方そ

の日本は中国や朝鮮などのアジアを侵略して大虐殺を起こした。またその侵略された中国

も元の時代に「元寇」と呼ばれる侵略戦争を日本に対して起こしている。

　このように一つの国が完全に正しい、あるいは完全に間違っているとはいえない。人類が

この地球上に誕生して以来戦争が途絶えたことはない。戦っている当事者は自分たちが正

義だと信じている。自分たちが正しいと思っているからこそ戦うのである。その一つの例と

してアニメ「機動戦士ガンダム」における地球連邦軍対ジオン公国軍の１年戦争を挙げるこ

とができる。たかがアニメと思うかもしれないが、監督の富野喜幸氏は鋭く人間の内面を描

き出している。ジオン公国を反乱者とみなし、反乱の鎮圧を大義名分として戦う地球連邦の

アムロ・レイ、地球連邦からの自由・独立を大義名分として戦うジオン公国のシャア・アズナ

ブル、この両者は視聴者の人気を二分した。

　私が言いたいのは、第三者の立場から見れば、どちらが正しくてどちらが悪いかわからな

いということである。しかしながら我々日本人は民主主義（アメリカ）の側に立つ当事者であ

る。イスラム世界とは対立する世界に住んでいるのである。もし、「宇宙人」という第三者が

存在するのなら、この地球における対立をどのようにとらえるのであろうか。アムロとシャア

の人気が二分したように、たぶん「宇宙人」たちの意見も真っ二つに分かれるはずである。

　この地球上から戦争がなくなることはないであろう。戦争がなくなるとすれば、それは人類

が絶滅したときである。あるいは、この地球が「自国の文化に誇りを持ち、且つ、相手の文

化も尊重しよう」という民主主義の側のグロ−バリズムな考え方の人間しかいない世界に

なった時である。こういうグロ−バリズムの考え方は、イスラム世界には通用しない。この

地球をそういう考え方だけの人間だけにしようというならば、アフリカをはじめとする発展途

上国の人間や、イスラム世界の人間を皆殺し（ジェノサイド）にするしかない。つまり、人間

の選別を行うしかないないのである。果たして現実的にそのようなことができるのであろう

か。私は平和に暮らしたいのでそれが実現すればそれに越したことはないが、この考え方

は傲慢であろうか？PANKUの意見を聞いてみたい。

　当面の私の心配事は、日米同盟を理由にアメリカ支持を強調している日本でも同様のテ

ロが起きるのではないかということである。